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先輩が教えるシリーズ14
統計処理に使う
Excel2007活用法

著者 相澤 裕介
判型 B5変型判、217頁
本体価格 2,200円
ISBN 978-4-87783-155-4

本書について

 本書は、調査や実験から得たデータを基に、さまざまな統計処理をExcelで行う手順を解説した書籍です。統計処理とは、調査や実験から得たデータをわかりやすくまとめ、分析することです。とはいえ、統計処理の漠然としたイメージを想像できても、『実際に統計処理で何を行うか?』を把握できていない人が沢山いると思います。そこで、まずは本書が扱う統計処理の内容を紹介しておきましょう。

 第1章では、平均値や最大値、最小値といった普段から馴染みのある指標を求める方法を解説します。また、分散や標準偏差、偏差値などの“統計処理の基本”となる指標を求める方法も解説します。

 第2章では、データから得た平均値が『どれだけ信頼できるか?』を探るために、平均値の信頼区間を求める方法を解説します。たとえば、成人男性10人の靴のサイズを調査した結果、その平均値が26.4cmになったとしましょう。この結果を基に『日本人男性の靴のサイズの平均値は26.4cmである』と断言できるでしょうか? たぶん、無理ですね。かといって、日本全国の成人男性について靴のサイズを調べるのも不可能です。このような場合は統計学を利用して全体の平均値を推測します。これが平均値の信頼区間です。

 第3章では、2つのグループについて調査や実験を行い、その平均値を比較する場合の処理手順を解説します。こういった比較調査では、2つの平均値には多少の差が生じるのが普通です。ただし、この差が『本当に意味のある差なのか?』それとも『単なる偶然により生じた差なのか?』を各自で判断しなければいけません。このような場合にも統計学が役に立ちます。もちろん、その詳しい手順が本書で解説されています。

 第4章では、3つ以上のグループについて平均値を比較する場合、および複数の要因が関係する調査の分析方法を解説します。このようなケースでは、分散分析という手法を用いて統計処理を行います。分散分析を行えるようになれば、調査や実験から得た結果をより鮮明に捉えることが可能となります。

 通常、これらの統計処理を行うには複雑な計算が必要となります。でも心配はいりません。Excelには便利な関数やツールが用意されているため、簡単な操作でさまざまな統計処理を実行できます。自ら計算を行う必要もありません。数学が得意でなくても大丈夫。本書には多少複雑な数式も掲載されていますが、これらの数式の意味を必ずしも理解する必要はありません。また、本書の巻末に「統計処理でよく利用するExcel操作」を紹介しているため、Excel初心者でも安心して作業を進められます。

 調査結果や実験結果を分析するには、その目的に応じて最適な統計処理を行うことが不可欠です。本書により、その手法を皆さんが習得していただければ幸いです。

目 次

第1章 統計処理の基本

1.1 平均値、最大値、最小値
1.2 度数分布グラフ(ヒストグラム)の作成
1.3 分散
1.4 標準偏差
1.5 偏差値

第2章 標本調査における平均値の信頼区間

2.1 母集団と標本
2.2 標本平均と母平均
2.3 不偏分散
2.4 平均値の信頼区間
2.5 正規分布について
2.6 Yes/NOで答えるアンケートの信頼区間

第3章 調査結果の比較

3.1 平均値の比較
3.2 F検定で母集団の分散を比較する
3.3 等分散のt検定
3.4 不等分散のt検定
3.5 最も簡単な平均値の比較
3.6 対応がある場合のt検定
3.7 比率の比較(χ2検定)

第4章 分散分析

4.1 分散分析とは…?
4.2 1要因の分散分析
4.3 2要因の分散分析

付録 統計処理でよく利用するExcel操作

AP-01 数式の入力
AP-02 関数の利用
AP-03 セル範囲の指定
AP-04 オートフィル
AP-05 表示形式の変更
AP-06 グラフの編集
AP-07 統計処理で利用する関数