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.NETフレームワークのためのC#システムプログラミング
著者 北山 洋幸
判型 B5変型判、416頁
本体価格 4,000円
ISBN 978-4-87783-165-3

本書について

 Visual Studio .NETが登場して間もない頃は、.NET Frameworkを使いこなす機会が多かったとはいえず、Visual C++ 6.0やVisual Basic 6.0の新しいバージョンとして利用する人が少なくありませんでした。しかし、Visual Studio .NET 2003となってからは、次第に.NET Frameworkを前提とした開発も増加しはじめました。そして、Visual Studio 2005の登場は、製品名から「.NET」の文字を除くことによってかえって、.NET Frameworkへの本格的な移行を後押ししているように感じられます。

 .NET Frameworkは、単なるクラスの集合体ではなく、幅広い応用分野に適応できる完全な環境です。提供されるクラスライブラリを駆使すれば、ほとんどの要求を満足させられることでしょう。そしてこの強力な.NET Frameworkを最大限に活用するには、C#は打ってつけの言語であるといえます。

 C#は、開発の最前線で使用されているC++やJavaに勝るとも劣らない機能を持つと同時に、Visual Basicのような扱いやすさも兼ね備えた、非常に洗練された言語です。C++のプログラミング経験を有する方であれば、C#の利便性をすぐに理解できることでしょう。また、これまでVisual Basicを使用してきた方にも、.NETへ移行する機会にC#を試してみる価値はあると思います。Visual C++ 6.0とMFCを使用していたエンジニアのアップグレードパスと考えても、よい選択といえるでしょう。

目 次

第1章●C#の基本

1-1 データ型
1-2 値型とは
1-3 参照型とは
1-4 C#の型とAliasの関係
1-5 C#の型
1-6 文字列型
1-7 配列
1-8 構造体
1-9 引数
1-10 デリゲート

第2章●DLL

DLLとプロセス
DLlからのエクスポート

2-1 C#プログラムとDLLの連携
2-2 DLLのメソッド名を変更する
2-3 .DEFファイルを使用したエクスポート
2-4 スレッドからDLLを呼び出す
2-5 DLLでメモリを共有
2-6 DLLでメモリを共有(2)

第3章●スレッド

スレッドの応用

3-1 シンプルスレッド
3-2 スレッドに値を渡す
3-3 スレッドから情報を貰う
3-4 フォアグラウンドスレッドとバックグラウンドスレッド
3-5 シンプルなGUIを持ったマルチスレッドプログラム
3-6 シンプルなGUIスレッドプログラム(2)
3-7 バウンドプログラム
3-8 バウンドプログラム(正常版)
3-9 永遠に線を描くプログラム
3-10 スレッドの中断と再開
3-11 スレッドの強制終了
3-12 スレッド間でメッセージ通信
3-13 スレッド間でメッセージ通信(2)
3-14 多数のスレッド
3-15 スレッドの優先順位
3-16 スレッド中断

第4章●同期

4-1 Interlockedクラスで同期
4-2 Joinメソッドによる終了監視
4-3 Monitorクラスによる同期
4-4 lock文による同期
4-5 非同期呼び出し
4-6 同期呼び出し
4-7 BeginInvokeメソッド
4-8 EventHandlerデリゲートによる同期呼び出し
4-9 ManualResetEventと同期
4-10 AutoResetEventと同期
4-11 スレッドプール
4-12 コールバックでメソッド完了を知る
4-13 コールバックと多数の非同期呼び出し
4-14 volatileキーワード
4-15 ReaderWriterLockによるクラス同期
4-16 ミューテックス
4-17 ミューテックス(GUI版)
4-18 QueueクラスとMonitorクラスによる通信
4-19 Queueクラスによるスレッド間通信の応用

第5章●プロセス

5-1 プロセスの起動
5-2 プロセスを起動し同期で完了を待つ
5-3 プロセスを起動し非同期で完了を待つ
5-4 ミューテックスでインスタンスの多重起動を禁止
5-5 プロセス名で多重起動を禁止
5-6 DLLによるプロセス制御
5-7 DLLによるプロセス間通信
5-8 標準I/Oを使用したプロセス間通信
5-9 ネットワークを使用したプロセス間通信