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HTML5による物理シミュレーション
JavaScriptでThree.js/jqPlot/jQuery UIを使う

2013年3月10日 初版第1刷発行

three.jsの仕様変更に伴い本書の記載に変更点があります。追加情報を参照してください。

著者のホームページよりお知らせ

 フジテレビ2013年4月期月曜よる9時枠ドラマ【ガリレオ】にて、ドラマのセットに利用されるPCやスクリーンに映し出される物理シミュレーションや動画の提供が決まりました(予定)。先日発売されました「HTML5による物理シミュレーション」を元に作成しております。

本書について

 本書は、HTML5を利用しウェブブラウザだけで完結した「物理シミュレーション環境」を構築するまでの手順を示すことで、実践を交えながら、HTML5によるアプリケーションの開発の手順と、物理シミュレーションの基礎を習得することを目的としています。
 物理シミュレーション環境の構築に必要な要素として、【入力】【演算】【描画】の3つが挙げられます。これまで【入力】は各実行環境に応じたGUI、【演算】はC言語などのプログラミング言語、【描画】は二次元グラフ描写ならgnuplot、3次元グラフィックスならOpenGLというように、独立したアプリケーションをそれぞれ習得する必要がありました。
 しかしながら、HTML5の登場により、状況は劇的に変化しつつあります。【入力】はHTMLが本来得意とするインタラクティブ・インターフェース、【演算】はウェブブラウザ上で高速実行可能なJavaScript、【描画】はcanvas要素によるリアルタイムな二次元ならびに三次元のグラフィックス描画と、HTML5の各要素によって、物理シミュレーション環境の構築に必要な3つの要素すべてが高レベル、かつウェブブラウザだけで完結することが可能となりました。
 さらにHTML5で作成したアプリケーションはウェブブラウザを介して様々な環境で実行することができる上に、当然ながら、HTMLの本領であるウェブ上での公開も容易です。すなわち、アプリケーションの共通プラットフォームであるHTML5の一つの応用例として、HTML5は、新しいインタラクティブな科学コミュニケーションツールとしての可能性を大きく秘めていると考えています。

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