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IT系の
わかるようなわからないような英語のお話

2015年9月10日 初版第1刷発行

本書について

 本書は、コンピュータに専門的に携わる人の間で用いられる英俗語約260点の意味や背景をそれぞれ概説したものである。
 俗語(jargon)とは、「専門家や集団で用いられる特殊な語や表現で、第3者にはわかりづらいもの」(Oxford English Dictionary)である。専門家だけが用いている分には問題はない。しかし、コンピュータあるいはIT関係の技術は日常生活に広く浸透しており、そこで用いられるわかりづらい語に専門家以外の人が触れることも多い。俗語といえどもその語のもとになった一般的な語がたいていはあるわけで、その言語の知識があればおぼろげながらも意味を把握できないこともない。しかし、見当は誤ることもあり、さらに英語で俗語となると多くの人にはかなりとっつきが悪い。そこで本書では、語そのものや技術的なバックグラウンドをできる限り平易に解説することで、それら語の持つ面白みを描き出そうと試みた。
 コンピュータ/IT俗語は非常に多いが、本書では一般的な用法からはずれていたり意味が食い違っているような奇妙な表現を主として採録している。むろん、このずれは筆者らの主観であるため、これらがコンピュータ俗語の代表例だというつもりはない。また、語自体はさほど意表をつかなくても、背景や関連した話が面白そうな語も収録している。さらに、コンピュータ系には英語の読みをそのままカタカナにした用語が非常に多いが、元の意味があまり理解されていないような語も対象にしている。いずれにせよ、英検やTOEICといった正統的英語では扱わない語を集めたのが本書である。