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C#による
Windowsシステムプログラミング

2017年1月10日 初版第1刷発行

本書について

 本書は、C#の入門を終えて本格的なソフトウェア開発を行いたい人や、ソフトウェア開発に長いこと従事して来た人を対象としています。C#を使って本格的なシステムを開発するときに悩むようなことがらを中心にまとめた書籍です。
 C#は、プログラミング入門者にとって、学びやすい言語です。比較的習得が容易な言語ですが、C#を使いこなすとなると話は別です。表面上の簡単な使い方で十分なのか、C#の本格的な使用法までマスターするかで、習得までの労力は大きく異なります。本書はC#特有な機能を使いこなすレベルまではいかないけれど、いろいろな言語をマスターし、システム開発にも慣れ親しんだ人がC#を使用してシステムプログラミングを行うのに最低限必要と思われる内容を解説します。例えば、目的の性能を達成できない、あるいはオープンソースなどと融合したシステムを開発したい場合などを想定しています。もちろん、C#の初心者に読んでいただいても有益でしょうが、解説が懇切丁寧とは言えず、最初に読むのに適しているかは疑問です。なぜなら一般の入門書と異なり、C#を網羅的に解説しておらず、かつ丁寧でもありません。
 本書は、C#や.NET Frameworkを体系的に学びたい人を対象とした書籍ではありません。目次から分かると思いますが、網羅的にC#に概要を学びたい人には向きません。かわりに、C#に慣れ、しばらくした頃に読み直すと良さそうな題材を厳選しました。一般のC#入門書では解説しないデータ型の基礎、マネージドコードとアンマネージドコードの融合、並列処理の基礎、並列処理で問題となるGUIとスレッドの関係、データ並列、デリゲートとラムダ式、同期処理、フォーム間やスレッドからのコントロールアクセス、そしてプロセス制御などを解説します。入門書を読破し、簡単なプログラムを開発できるようなった人が、実際のシステムを開発するようになったときに読んでほしい内容としました。

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