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先輩が教えるシリーズ10
実験データ処理に使う
Excel2007活用法

著者 嶋貫 健司、協力 大塚 礼雄
判型 B5変型判、276頁
本体価格 2,500円
ISBN 978-4-87783-151-6

本書について

 この本は、なりたての理系学生に読んでもらいたい。Excelの使い方を解説してはいるが、Excelの操作という意味ではごく初歩の事柄を解説しているだけにしかすぎない。

 Excelというソフトウエアは、パソコンというカテゴリーのコンピューターに圧倒的なシェアを持っている。Windowsマシンの大多数に購入したときからすでに使える状態で入っているソフトウエアでありながら、実際には社会人となり自分のものではないお金の計算をするようになるまではまったく縁のないソフトウエアだ。

 Excelを本格的に利用する最初の機会は就職してから訪れる。「見積もり」とか「予算」とか「請求書」とか「売り上げ予測」といった戯言を毎日のように聞かされるようになると、いきなりExcelの出番だ。Excelの多くの機能は経理や財務のような経済の分野にフォーカスしているし、それ以外の部分は小規模データベース(本当に小規模なもの向けで、実際にはリスト整理機能と考えるべきだ)にフォーカスしている。科学や工学にはまったく用なしの機能が満載だ。本気で理工学のデータ処理を行わなければならない場合はMatlabのような数値解析ソフトウエアを使うべきである。流体力学や構造力学などの特別な状況にはそれ専用の機能を持った数値解析ソフトウエアもある。そのようなソフトウエアは残念ながら自分で購入してインストールしなければならない。Excelはもともと入っているし、専用のソフトウエアでなくとも十分事足りてしまう状況の方が多いのだ。そんなわけで、本書では理工系のデータ処理をするためのExcelのはじっこの部分について解説する。

目 次

第1章 理系のExcel

1.1 Excelというソフトウエアのこと
1.2 Excelのオプションを変更する
1.3 Excelの基本操作
1.4 ブックの保存

第2章 データを集計する機能

2.1 実験データを表にする場合のセオリー
2.2 表を見やすくする工夫
2.3 表の入力と整形
2.4 文字の配置とユーザー定義の表示形式
2.5 削除

第3章 ワークシート上の計算式

3.1 式の基本
3.2 式中のセルの参照
3.3 式を複製する方法
3.4 関数
3.5 最小二乗法

第4章 グラフの活用法

4.1 グラフ作成のセオリー
4.2 見やすいグラフの作成方法
4.3 近似直線

第5章 表とグラフの印刷

5.1 印刷をする前に
5.2 範囲を指定して印刷する
5.3 Wordに取り込んで印刷する