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Rリファレンスブック

本書について

 Rの中級以上のユーザーは統計とプログラミングの知識をある程度持っている。したがって、膨大な関数の中から有用なものは何かを知りたいことになる。Rに関する多くの書籍が出版されており、オンラインマニュアルもあるが、それらから必要な情報を得るのは難しい。
 書籍の場合には、紙面の都合上、関数についての説明は解説的であり、仕様の全体は明確ではない。また、オンラインマニュアルの場合には、関数を調べるときの使い勝手がよくない。

 そこで必要なのは、Rの必要な仕様を効率的に知ることができる資料である。Web上にそのようなものがあればよいが、残念ながら筆者の知る限りない。そこで、本書は、筆者のRの利用や教育の経験から、想定される範囲の仕様をRのヘルプなどを参考にまとめることにした。よって、本書は解説書ではなくマニュアル本の体裁をとっている。しかし、仕様をすべてカバーしているわけではなく、重要性の高いものを中心に紹介している。
 また、中級レベル以上の読者を対象にしているので、基本レベルの読者に対応した解説はしていない。しかし、多くのRユーザーにとっては、本書はリファレンスとしても役に立つと考えられる。また、Rの仕様の逆引きもできるようにした。  本書を順次読み通せば、Rを総合的に学ぶこともできるが、初級レベルの読者の学習を想定していない。初心者は、まず、入門書を読んだ後、本書を読むことを勧める。なお、本書の内容は2011年9月現在のバージョンである「R 2.13.0」に準拠している。

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